2014/01/07

ペグの加工


ホワイトヴァイオリンのセットアップ 目次


ホワイトヴァイオリンにペグを取り付けました。


ペグ穴の加工

まずはペグ穴の加工です。予めドリルで穴が開いているので、ペグリーマーを使用して30:1のテーパー形状に成形します。


リーマーで穴を削る



ここで注意すべきは2点あります。

まず1つは、穴が斜めにならないように加工することです。
ドリル穴が斜めであるのは論外ですが、ドリル穴がまっすぐ開いていてもリーマーの扱いによってはその穴が次第に斜めに変形してくる場合があります。リーマーで削る時は余計な力を加えないこと、穴が斜めになっていないかこまめに確認しながら作業を進めることが必要です。


もう1つは、4つの穴が同じ大きさになるように加工することです。
今回は小さいサイズのリーマーを使用しているので、根元ギリギリまで削ることで4つとも丁度良い穴径(差込口7.3mm)になりますが、大きい標準サイズのリーマーを使う場合はマジックやビニールテープでリーマーの途中に目印を付けておくといいでしょう。




ペグの加工

続いてペグの加工です。こちらは、以前ペグの交換のために全く同じ作業を行ったので経験済みです。

削る前のペグ


ペグシェーバーを使って慎重にペグを削っていきます。以前加工したローズウッドに比べて柔らかく繊維が緻密な感触がします。もちろん途中で引っかかる繊維がありますが、気にせず力任せに削った方が(と言うと語弊がありますが、ためらわないでスピードをつけて削る)綺麗に仕上がるようです。

コツを掴んだらあとは目的の寸法(ペグボックスの壁から白いリングまで12mm)になるまで削るだけです。


削ったペグ

太さを合わせたら、ペグボックスの反対側に突き出た部分は切り落とします。あとは弦を通す穴(φ1.5mm)を開ければ形は完了です。


無難に加工できて一安心


ペグの染色

ボックスウッドというとベージュ~茶色系の色を思い浮かべますが、実際には写真の通り殆ど色はついていません。ボックスウッドでイメージするあの色は表面だけ染めているのです。そのため、エボニーやローズウッドのフィッティングは削ってもそのまま外側と同じ色であるのに対し、ボックスウッドは削った部分のみ白い地が見えてきます。


もちろん白地が見えたまま使っても何の問題も無いのですが、なんとなく見た目が落ち着かない印象ですので、削った部分を染めてみたいと思います。

とは言え、僅か4本のペグの着色のために専用の着色剤を購入するのももったいない。そこで身の周りにあるもので染める方法を考えてみました。


 【材料】
 紅茶(赤茶系の色を出します)・・・・・・・・・・・2パック
 玉ねぎの皮(黄色系の色を出します)・・・・・1個分

 【手順】
 ①ティーバッグと玉ねぎの皮を鍋に入れ、2カップ程度の水で煮出す。
 ②煮出した汁を筆でペグの白い部分に塗る。(液垂れしない程度)
 ③乾かす
 ④好みの色になるまで②③を繰り返す。


というように、多少手間がかかる作業です。


たまねぎの皮と紅茶を煮出した液


結果、下の写真のようになりました。ツマミ部分と少し色合いが違いますが、まあ白よりはいいでしょう。


染色したペグ


これでペグの完成です。この後塗装時にペグ穴にニスが入ってしまうので、最後にまた穴を削る作業をしなければなりませんが・・・


4本とも完成






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