左から順にWittner社のテールガット(テールピースロープ)、Hillタイプのテールピース、エンドピンです。テールピースとエンドピンはローズウッドです。私の楽器のような明るい色だとボックスウッドのパーツを付けると安っぽく見えそうな気がしたので重厚感のあるローズウッドにしました。
まずはテールピースにロープを取り付けます。
ロープと金具にネジが切ってあり、金具を外してからテールピースの穴に通して再び金具を取り付けます。
そしてE線のアジャスターを今までのテールピースから外して新しい方に付けます。
弦を全て緩めて駒とエボニーのテールピースを外します。魂柱の調整具合によってはちょっとした動きで倒れてしまうこともありえるのでここからは慎重に扱いましょう。また、楽器を置くときは写真のように右側を下にして置いた方が魂柱が安定します。
エンドピンの交換に活躍するのがこちらのJUZEK製の可変式ペグシェーバー。鉛筆削りの要領でペグやエンドピンを削る道具ですが、シェーバー側でテーパー角や太さを調節することができるため、理論的には今まで使っていたペグ等と全く同じサイズに削ることが可能です。
早速今まで楽器に付いていたエンドピンをシェーバーにセット。ダイヤルを回してテーパーと太さを合わせます。
そして、この状態で固定したシェーバーに新しいエンドピンを差し込んで削ればいいのです。
しかしここで重大な事実に直面。なんと今までのエンドピンより新しく買ったエンドピンの方が細いのです。まさかと思いヴァイオリンに差し込んでみるともうゆるくてグラグラです。
新しいテールピース&ロープを今までのエンドピンに引っ掛けて弦を張ります。
これでとりあえず弾ける状態にはなりますが、駒~テールピース間の弦長も一応基準があるため調整しなければなりません。
駒~テールピース間の弦長は、ナット~駒間の1/6にするのが最も良いと言われています。
という話を聞くと多くの人は弦の長さを測って調整することと思います。
しかし、それよりももっと簡単かつ正確に調整する方法があるので解説します。
①まずは4本とも弦を張って正しい音程に調弦します。弦の張力によってテールガットの長さが変化するため、必ず「4本」を「正しい音程」にチューニングしなければなりません。
②A線のテールピース側を指ではじきます。この時に「E」の音が鳴れば正しく調整された状態です。非常に高音ですがE線の開放弦と同時に鳴らせばわかりやすいです。
③「E」の音に合っていない場合は弦を全て緩めてテールピースを取り外します。
④テールガットの長さを調節して弦長を合わせます。すなわち
Eより高い→弦長が短い→テールガットが長い→ネジを締めてテールガットを短くする
Eより低い→弦長が長い→テールガットが短い→ネジを緩めてテールガットを長くする
ということです。
長さを調節したら再び①に戻って音を確かめます。
このように音で合わせることで弦の共鳴を生かすことができます。この例ではA線をEの音で合わせていますが、D線をAの音で合わせる場合もあるようです。ちなみに駒のカーブとテールピースの枕は完全に平行ではないので、D線とA線を両方とも合わせるのは不可能と思った方がいいでしょう。
今回の作業はここまで。写真にして見ると全然わかりませんが、テールピースだけローズウッドで他は全てエボニーの状態です。
次回はあご当ての交換に挑戦します。
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