顎当て自体は黒檀なので弦が当たる指板と違ってそう簡単に劣化するものではありませんが、楽器に当たる部分のコルクシートがご覧の通り完全に潰れてしまっています。
あくまで感覚的な話ですが、
コルクが潰れる
↓
コルクが堅くなる
↓
楽器の表裏板を挟む力が強くなる
↓
楽器の振動を妨げる
ということで音に悪い影響が出ていると思われます。
顎当てごと換えてしまうという手もありますが、顎当て自体は使い慣れていて換えたくなかったので、コルクだけ貼り換えてみることにしました。
ネジを外します。専用工具も売っていますが、細いドライバーのようなものがあれば必要ありません。ただし気をつけないと楽器に傷がついてしまうことがあるので、自信の無い方は専用工具を購入した方がいいでしょう。顎当てレンチという名前で楽器屋やネットで売っています。
完全に分解しました。まずは今までついていた古いコルクを剥がします。オルファ鉄の爪を使うと簡単に剥がせます。ニスの質によっては本体側にコルクがこびりついている場合もあるようですが、幸いにも私の楽器ではそのようなことはありませんでした。
コルクシートはAmazonで2mm厚の物を買いました。クッション性と加工のしやすさから、この位の厚さが丁度いいのではないでしょうか。
顎当ての取り付け面をコルクに形取り、切り抜きます。
駒の製作時に購入して大量に余っていたタイトボンドで接着します。
ボンドが完全に乾いたら、はみ出たコルクを削って形を整えます。さらに本体との接触面が合った方が良いので、削りながら何回も本体と合わせて厚さを調整します。
ついでに軽量化のため裏側を少し削りました。黒檀は非常に堅い木材ですが、割れやすいので負荷がかからなそうな部分を慎重に削りました。
金具も同じように貼り換えました。
例によってサンドペーパー(#1000)で磨いてリンシードオイルで表面を仕上げます。削った部分が完全にわからなくなります。
そして再び取り付け。コルクのクッションが復活して心なしか響きも良くなった気がします。
材料・道具リスト
コルクシート ・・・・・・・・・ 140円鉄の爪 ・・・・・・・・・・・・・ 482円
タイトボンド(前回購入)
彫刻刀(前回購入)
サンドペーパー(前回購入)
リンシードオイル(前回購入)
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