2014/08/30

ニス塗り完了


ホワイトヴァイオリンのセットアップ 目次


長らくかかったニス塗りもようやく今回で終わりです。



前回までで色ニスの塗装・研磨は完了したので、最後に保護用の透明ニスを塗ります。
透明ニスと言ってもオイルや溶け込んだ樹脂の色があるので、ニスだけを見る限りでは透明とは程遠いものです。

茶色?いいえ、透明です

保護が目的なので色ニスのように何十回も塗るわけではなく、薄く3回程度も塗れば充分でしょう。



ニスが充分に乾いたら再び研磨します。前回は研磨傷が自然に埋まったためあまり細かく研磨しませんでしたが、今回はペーパーでの研磨(#400、#1000、#2000)の後、トリポリ粉を使って仕上げ磨きまで行いました。

しかしトリポリ粉を使ったからといって、そう易々と光沢が出る訳ではありません。光沢を出すためにはむしろその前のペーパー磨きの方が大切だと思います。というのもニスを塗りっぱなしの表面はハケ跡や細かい埃などの凹凸があり、目で見たり指で触ったりする分には大したことない凹凸に感じられますが、研磨という視点で見ると山や谷のように非常に大きな起伏なのです。このような凹凸が残った状態で細かいペーパーやトリポリ粉で磨いても、谷部分には研磨粒子が行き届かず、山部分だけ磨かれてその跡が縞模様や斑模様になってしまうのです。(実は一度失敗しました)


そこで、まずは#400のペーパーでこれでもかというほどオイル研磨をかけます。仕上げに塗った3回のニスのうち2回分を剥がすくらいの気持ちで磨き上げます。

充分に研磨したら次は#1000のペーパーと行きたいところですが、その前に綺麗な布で研磨面を拭いて#400の粒子を完全に取り除きます。粗い粒子が残った状態で細かいペーパーを掛けても新たな粗い傷を付けてしまうだけで、光沢など夢のまた夢です。
粒子を綺麗に拭き取ったら、#1000のペーパーを使って#400でできた傷を取り除くように磨きます。これも何回も磨いては拭き取りを繰り返し#400の傷が完全に消えるまで磨き続けます。

#1000が終わったら、また綺麗に粒子を拭き取ってから#2000のペーパーでさらに細かく磨きます。このくらい細かいペーパーになるとすぐに目詰まりしてしまうので、すぐに新しいペーパーに交換しなければならず、作業性は良くないです。


#2000のペーパーで磨いたニス表面は非常に微細な傷だらけで、全体的に白っぽく曇って見えます。この微細な傷を更に細かいトリポリ粉を用いて、光沢が出るまで磨くわけです。

トリポリ粉末をリンシードオイルに溶いたものを柔らかい布につけて磨きます。

トリポリ粉末
オイルで溶いたトリポリ粉

磨いてる手には意外とザラザラした感触が伝わってきて不安になりますが、何度も磨いたり拭き取ったりしているうちに光沢がでてきたのがわかってひと安心です。


最後に全体をヒルオイルで磨いたら完成です。ヒルオイルは今まで松脂落としとしての効果しか実感していませんでしたが、ニスの最終仕上げとしてもなかなか素晴らしい艶出し効果があります。



さて、あとは余計な場所に付いてしまったニスを落とさなければなりません。ネック裏は気を付けて塗ればニスが付いてしまうこともないのですが、私の場合ペグ穴にニスが入り込んでしまったので、これを落とさなければいけなくなりました。こんなことならニスを塗ってからペグ穴を開ければよかったと今更ながらに思いますが・・・
ペグ穴のニスを取り除くには、ペグリーマーを使って削るだけです。ペグの寸法も穴に合わせて加工してしまっているので削りすぎには気を付けなければいけませんね。


そして遂に(ニス塗りが)完成!!

似たような写真ばかりですが・・・


下地処理から実に8か月、気付けばホワイトヴァイオリン購入から1年も経ってしまいました。ここから先はペースアップしていきたいですね。

道具・材料リスト

オイルニス(日本リノキシン) ・・・・・・・・・1800円
スポンジ研磨剤(住友3M) ・・・・・・・・・・・549円
テレピン油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1404円
耐水ペーパー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・539円
トリポリ粉末







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