今までずっとオイドクサの松脂を使ってきたのですが、これがとにかくサラサラしすぎて全く弦に引っかからない。張力の弱いオイドクサ弦ならばこれでちょうどいいのかも知れませんが、ドミナントぐらいの張力になると充分に力を発揮できないようです。
今回粘りの強い松脂を選ぶにあたっての候補は次の4つ
①ミラン・黒ネコ
②アンドレア・ソロ・ヴァイオリン
③ギヨーム
④ラーセン
①の黒ネコは粘性が強めの松脂としては定番商品ですね。粒子が細かく使いやすいそうです。
ただ、これは人と同じが嫌な私の性格から却下。
②のアンドレアは比較的新しいブランドなのですが、非常に評判いいですね。弾きやすさと音が全然違うとのことで非常に興味があったのですが、Amazonで見たところたまたま品切れだったので却下。
③のギヨームはベルギーの有名な弓職人ですが、松脂も作っています。こちらも粒子が細かく適度な粘性で使いやすいとのことで試してみたかったのですが、やや値が張ることから却下。
そして今回購入したのが④のラーセン。
実はラーセンの松脂は10年程前に一度使ったことがあって、しっかりした引っかかりと厚みのある音が気に入っていたのですが、1ヶ月程使っていた時にうっかり床に落としてしまい粉々に割れてしまったのです。
そんな苦い思い出があるラーセンの松脂が再び私の元へやってきました。
ベルベットというのでしょうか、起毛した生地に包まれており、やや小ぶりです。
開封すると赤みを帯びた濃い飴色の松脂が姿を現しました。トップのラーセンの紋章(?)がかっこいいです。まあ、使うとすぐに消えますがね。
早速弓に塗ってみます。新しい松脂はなかなかつきにくいイメージがありますが、このラーセンはすぐに粉状になるので塗りやすいです。
松脂と布の接着が弱そうなので、写真のように両サイドの布を折り返して持つと塗りやすいです。
ふと思い出したのですが、昔のラーセンは赤い染料が入っていて、弓に塗ると毛がほんのりピンク色になっていました。今の製品は成分が変わったのか、特に色が付いている様子はありません。結構好きだったのですが不評だったんでしょうかね。
使用感としては一昔前と同じで程よい引っかかり感がありますが、べとつきは全くありません。
そしてこのラーセン松脂のいいところは、粒子が非常に細かく、弓の圧力やスピードに関わらず安定した発音ができることでしょう。もちろんボリュームも(大きさはもちろんのこと厚みも)しっかりしています。
逆に悪いところは弦にこびりつきやすいところでしょうか。少々着くのは問題ないのですが、多くなってくると雑音が混じるようになってきます。まあ弾いている本人にしか聞こえないでしょうけど。
とりあえず、今は冬なので調度いいのかも知れませんが、夏になると粘りが強くなるかも知れませんね。その時にはオイドクサ松脂を重ね塗りして調整してみようかと思います。
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