2013/07/27

ヴァイオリンの音への影響まとめ


これまで様々な方法でヴァイオリンの音質改善を試みてみました。個人的な感覚ではありますがそれぞれの効果をまとめてみました。
☆の数が多いほど音への影響が大きいものです。(良い悪いは問わず)






1.消耗品編

まずは最も簡単に効果が得られる消耗品です。

弦交換(☆☆☆☆☆)
楽器の振動の発生源となる部分ですので、振動特性の異なる弦に変えるということは確実に効果があります。
ただし楽器自体のキャラクターは変わらないので(厳密には弦の張力が変わることで楽器の歪みのバランスが変化するため僅かに影響あり)あくまでも「味付け」であり、当然楽器との相性もあります。また、弦の銘柄による傾向というのはありますが、それは音の絶対的な良し悪しというよりは好みに依る要素が大きく、ある人の楽器で良い結果になったからといって別の楽器でも良好な結果が得られるとは限りません。こればかりは多数発売されている弦をG~E線の組み合わせも含めて色々試してみるしかないでしょう。

【参考記事】
インフェルド青


松脂の切替(☆☆☆☆)
松脂の粒子の大きさや粘度が変わることにより弦との接し方が変わります。ただそれだけで厚みのある音になったり、逆に霞かかったような音になったりします。
切替のタイミングは弓の毛替え直後が理想ですが、前の松脂が付いた状態で新しい松脂を塗っても効果は実感できます。むしろ複数の松脂をわざと重ね塗りすることで、2つの松脂の中間程度の使い心地を追求することも可能です。

【参考記事】
ラーセン松脂




2.パーツ編

次に挙げる作業は本来は専門の技術者が行うもので、非常に難易度の高いものです。

駒交換(☆☆)
材質・高さ・幅・厚さ・穴の削り・仕上げ処理等、作業の全てが音に影響します。あくまでも振動の通り道ですので、常識的な範囲の加工ではそれほど大きな変化は無いですし、楽器のキャラクターが変わるわけではありません。

【参考記事】
ヴァイオリン 駒交換


顎当て交換(☆☆☆)
楽器の淵(周縁部)は高周波振動が多くを占めるため、楽器のどの部分に顎当てを固定するか、さらにその重さや振動吸収性によりこの高周波成分に影響を与えます。
固定する場所が大きく異なるもの(カウフマン型からガルネリ型など)に交換する方が変化が大きいと思われます。
しかし、本来顎当てに求めることは持ちやすさです。どんなに音色が良くなっても、持ちにくくて演奏に支障をきたすようでは何の意味もありません。

【参考記事】
ヴァイオリン 顎当て交換


テールピース交換(☆)
弦が直結しているため音への影響も大きいのではと思いましたが、実際にやってみると微々たるものでした。楽器を極限まで調整してさらに最後の一歩理想に近づけるためにいじる部分でしょう。

【参考記事】
ヴァイオリン テールピースとエンドピン交換


アジャスター交換(☆)
こちらもテールピースと同様です。弦と極めて近い位置にありますが音には大きな影響はありません。使いやすさを優先するべきだと思います。

【参考記事】
E線アジャスター交換
OTTO MUSICA チタンアジャスター


ペグ交換(☆)
ネックの重さが変わることにより何らかの影響があると思われますが、私の楽器の場合は殆ど実感できませんでした。

【参考記事】
ヴァイオリン ペグ交換




3.日常管理編

楽器に特に改造を施さなくても日常的な管理方法を変えることで音質にある程度の効果がありました。

ヴァイオリンを吊るす(☆☆☆)
特に期待はしていなかったのですが、常に外気に触れるようにしておくことで弾き始めの「イマイチ乗らない感」が無くなり、最初から楽器がよく鳴るようになりました。

【参考記事】
ヴァイオリンを壁に吊るす


弦を緩める(☆☆)
弦を緩めることで、木材の復元力により過度な歪みが矯正され、振動特性が変化します。
チューニングは最初20分程度は不安定になり、故に毎日ヴァイオリンを弾く人にはお勧めできませんが週末ヴァイオリニストは試す価値ありと思います。

【参考記事】
弦を緩めるということ


内部清掃・磨く(☆)
元々それほど汚れていないこともあり、特に効果は実感していません。相当な量の汚れを取ったとしても直接音質に影響があるかと言うと微妙なところですが、やらないよりはやった方が良いでしょう。
それに、楽器を清潔に保つことで、より愛着が湧くという精神的効果は侮れません。愛着を持って楽器に接することでほんの小さなことにも気付くようになり、それが大きなトラブルの防止につながったりします。

【参考記事】
ヴァイオリン内部清掃
ヴァイオリンを磨く




今後も色々試してみたいことがありますので、この投稿に結果を追記していきたいと思います。




0 件のコメント: