2013/07/13

弦レビュー(インフェルド青)


今までドミナント(GDA)+ゴールドブラカット(E)の組み合わせばかり使ってきましたが、今回は気分を一新してインフェルドの青を張ってみました。



メーカーのトマスティーク社によると赤は落ち着いた音色、青は輝きのある音色とのこと。
インフェルド青 袋は輝きというよりむしろクールな印象




外観と材質

弦の材質はドミナントと同じようにG線はシンセティックコアのシルバー巻き、D線A線はシンセティックコアのアルミ合金巻き、E線はスチールにスズメッキ(要するにブリキ)です。



E線のエンド部はボール/ループ兼用になっており、このボールを取り外すことでループエンドとして使うことができます。
E線のボールは取り外すことができる

買い間違えることが無くてよくできていますが、このボールを取るのが意外と大変。あまりいじくり回していると傷をつけたり疲労が蓄積したりして耐久性を損ねるので、気をつけたいところです。

ボールを取り外すコツとしては、ボールを青い巻糸側に一度ぐっと押し付けてください。細長い形のループが僅かに広がるので、取り外しやすくなるはずです。


ボールを取り外したE線


なんとかボールを取り外して装着。他の弦も順に張り替えていきます。


張替えの順番はE→G→A→DがいいとかG→E→D→Aがいいとか色々な説がありますが、1本ずつ張り替えればそう神経質になることもないでしょう。
一番の注意点は、弦を巻いていると駒が少しずつ指板側に傾いてくることです。それを修正することに神経を使うべきだと思います。


テールピース側の巻糸はドミナントと同じ

ペグ側は青い巻糸になります



音質、特徴(ドミナントとの比較)

弾いてみて思ったのが、非常に鳴らしやすい弦だということ。ドミナントよりもレスポンスが早く、輪郭がはっきりしています。音質は単純に「輝きのある音色」というよりは硬くて軽めな感じですね。しっとりと歌い上げるような音色ではありませんが、私のヴァイオリンは元々柔らかい音色なのでこのくらい硬い音の方がしっくりきます。

ただ、弓圧を強くすると音が潰れやすいです。とは言っても、あくまでもドミナントと比較した場合であり、致命的なレベルではありませんが、弾き方の癖によっては合わないと思う人もいるかも知れません。

意外にも良いなと思ったのはE線です。今までドミナントのGDAにゴールドブラカットのEを合わせていて、E線だけ弦の違いによる音色の段差を感じていましたが、このインフェルド青で4本揃えるとそのようなことは無く、GからE線まで音色の変化が実にスムーズです。ゴールドブラカットに比べると若干地味な音色ですが、高音まで綺麗に鳴ってくれます。



弦の袋に張力が記載されていました。

 G線:4.6kg
 D線:4.6kg
 A線:5.5kg
 E線:8.0kg

比較のため、ドミナントの張力は以下の通り。
(Dはシルバー、Eはクロムスチール)
 G線:4.5kg
 D線:4.5kg
 A線:5.5kg
 E線:7.8kg

こうして比べてみると、全体的にインフェルドの方が僅かに張力が強いですが、ほぼ同レベルですね。実際弾いていても弦の感触に特に違和感は感じませんし、4本ともインフェルド青にするのではなく、ドミナントと交ぜて使ってみるという手もあるかも知れませんね。

チューニングは1日でほぼ問題ないレベルまで安定しました。昔のドミナントは1週間ぐらい不安定だった気がしますが、最近のナイロン弦は(と言ってもリリースは10年以上前ですが)かなり進歩していますね。
そしてチューニングが落ち着くに従い、硬さが少し緩和され深みが出てきます。この辺りはドミナントと同じ初期伸びによる音色変化ですね。





劣化・耐久性

(2013/9/21追記)
2ヶ月程使用してみたところ、ある程度音の角が丸くなった感じはありますが、この弦のキャラクターは失われていないですし、反応も上々です。これから本番を迎えるというのでなければまだまだ寿命は先でしょう。







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